障害福祉の苦情解決の記録と返答文をAIで整える 申出人の言葉と約束したことは言い換えさせない

苦情の受付記録や、申出人への返答の文書を生成AIで整えると、角の立たない、読みやすい文がすぐにできます。ただ、その整った文の中で、申出人の言葉が「ご意見」に丸まり、受付の電話で約束した期限が消えることがあります。誰も確かめていない原因や、誰も決めていない「二度とこのようなことがないよう」が書き足されることもあるでしょう。
AIに渡す前に人が分けておくのは、三つです。申出人が言ったこと、受付のときに事業所が伝えたこと・約束したこと、まだ確かめていないことを、メモの上で別の行にします。AIに頼むのは、言い換えを禁じたうえでの並べ替えと文の整えまでです。返答で何を約束するかは、事実を確かめてから苦情解決責任者が決めます。この記事では、架空の生活介護事業所にかかってきた苦情の電話を例に、受付記録、返答の文書、結果の公表の順に、AIへの頼み方と確かめ方をたどります。
苦情の記録は、申出人の言葉と受付で約束したことを残すもの
社会福祉法は、社会福祉事業の経営者に、提供する福祉サービスについての利用者等からの苦情の適切な解決に努めるよう求めています(第82条)。都道府県社会福祉協議会には運営適正化委員会が置かれ、苦情の解決の申出があれば、相談に応じ、事情を調べ、双方の同意を得てあっせんを行うことができます(第83条・第85条)。社会福祉法 第82条・第83条・第85条(e-Gov法令検索)
障害福祉サービスの運営基準は、苦情を受け付ける窓口を置くなどの措置と、受け付けた苦情の内容等の記録を事業者に義務づけています(第39条第1項・第2項)。運営適正化委員会が行う調査やあっせんにできる限り協力することも、同じ条の定めです(同条第7項)。この条文は居宅介護のものですが、第93条で生活介護にも準用されています。苦情の内容等の記録は、生活介護でも5年間保存する記録の一つです(第93条で準用する第75条第2項第5号)。障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第39条・第75条・第93条(e-Gov法令検索)
国の解釈通知によれば、この記録は、苦情に事業所が組織として迅速かつ適切に対応するために、受付日や内容等を残すものです。苦情はサービスの質の向上を図るうえで重要な情報であり、苦情の内容を踏まえた取組を事業所が自ら行うべきだ、とも書かれています(69ページ)。厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(令和7年3月31日改正の新旧対照表、PDF)69〜70ページ
苦情解決の体制や手順は、国の指針が示しています。運営基準のような義務の定めではなく、事業者が自ら苦情解決に取り組む際の参考として、技術的助言の形で示されたものです。指針の手順では、苦情受付担当者は、苦情を受け付けるときに、苦情の内容、申出人の希望等、第三者委員への報告の要否、話し合いへの第三者委員の助言・立ち会いの要否を書面に記録し、その内容を申出人に確かめます。受け付けた苦情は、申出人が第三者委員への報告をはっきり断った場合を除いて、すべて苦情解決責任者と第三者委員に報告するものです。受付から解決・改善までの経過と結果も、書面に残します。苦情解決責任者は、申出人に改善を約束した事項について、一定の期間がたったあとに申出人と第三者委員へ報告することになっています。解決の結果は、個人情報に関するものを除いて、事業報告書や広報誌などで公表するという流れです。厚生労働省「社会福祉事業の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの指針について」(平成12年6月7日、法令等データベース)
つまり、苦情の記録は、申出人が何を言い、何を望み、事業所が何を約束したかを残すものです。記録は、第三者委員や苦情解決責任者が読み、約束した改善の報告にも使います。運営適正化委員会や市町村の調査に協力するときに、もとになることもあるでしょう。読みやすくするために言い方を変えると、そのまま記録の中身が変わります。
電話のメモをまるごとAIに渡すと、言葉が丸まり、約束が消える
ここからは、架空の事業所と利用者を例にします。実在の人ではありません。生活介護事業所に通うKさんは40代で、事業所の送迎を使っています。この事業所では、サービス管理責任者が苦情受付担当者を、管理者が苦情解決責任者を務めています。ある日の朝、Kさんが事業所に着いたあとで、Kさんの母から電話があり、受付担当が話を聞きながら次のメモを書きました。「 」の中は、受付担当が聞き取った母の言葉です。
Kさん(架空)の母からの電話 受付メモ2026年11月4日(水)10:10、Kさんの母から事業所に電話。受けたのは苦情受付担当者(サービス管理責任者)。 母「今朝の迎え、9時に来る予定が9時35分だった。遅れるという電話もなかった」 母「先月も一度、同じように遅れた。またか、と思った」 母「待っている間、Kが玄関から何度も外を見ていた。落ち着かない様子だった」 母「遅れるなら、せめて電話がほしい」 母「理由は、紙でもらえると夫にも見せられる」 受付担当: 遅れたことと、連絡しなかったことをおわびした。 受付担当: 遅れた理由は運転した職員に確かめ、11月6日(金)までに電話で伝え、文書も渡すと伝えた。 受付担当: 苦情解決責任者(管理者)と第三者委員に報告することを伝えた。母「それでいい」まだ確かめていないこと: 当日遅れた理由(運転した職員は別の送迎で外出中)、先月遅れた日、Kさん本人の受け止め(まだ聞いていない)。
このメモをまるごとAIに貼り、「苦情受付記録の様式に整えて」と頼むと、次のような記録が返ることがあります。説明のために作った想定の文で、実際のAIの出力ではありません。
苦情受付記録
受付日時: 11月4日 10:10
申出人: 利用者Kさんのご家族
苦情の内容: 朝の送迎の到着が遅れたことについて、ご意見をいただいた。
申出人の希望: 今後の改善
対応: 謝罪し、原因を確認のうえ連絡することとした。
原因: 道路の混雑による遅れと考えられる。
第三者委員への報告: 要
第三者委員の助言・立ち会い: 不要
今後の対応: 遅れる場合は事前に連絡するよう徹底する。
様式は埋まっていますが、元のメモと比べると、四つのずれがあります。
- 言葉が丸まった: 苦情が「ご意見」になり、「9時に来る予定が9時35分」「電話もなかった」(2行目)は「到着が遅れたこと」にまとめられました。先月も遅れたこと(3行目)と、Kさんの様子(4行目)は消えています。申出人も、母から「ご家族」に変わりました。
- 希望が言い換えられた: 「せめて電話がほしい」(5行目)と「理由は、紙でもらえると」(6行目)が、「今後の改善」の一語になりました。
- 約束が消えた: 「11月6日(金)までに電話で伝え、文書も渡す」(8行目)が「確認のうえ連絡する」になり、期限と文書が抜けています。
- 確かめていないことが、事実のように書かれた: 原因の「道路の混雑」は、メモのどこにもありません。10行目では、理由はまだ確かめていないことでした。立ち会いの「不要」は、電話では聞いていない項目です。「事前に連絡するよう徹底する」も、誰も決めていない対応です。
どのずれも、申出人が言ったことや事業所が約束したことから、記録を遠ざける向きに働いています。同じメモから「お母様への返答の文書を作って」と頼めば、次のような下書きになることもあります。これも想定の文です。
Kさまのお母様このたびは、送迎の到着が遅れ、ご心配とご迷惑をおかけいたしましたことを、心よりおわび申し上げます。
当日は道路が大変混雑しており、到着が遅れてしまいました。
今後は二度とこのようなことがないよう、職員一同、時間どおりの送迎を徹底してまいります。
また、遅れる場合には必ず事前にご連絡いたします。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
丁寧な文ですが、確かめていない原因が理由として書かれ、先月の遅れには触れていません。「二度と」「徹底」「必ず」は、事業所の誰も決めていない約束です。指針の流れでは、改善を約束した事項は、あとで申出人と第三者委員に報告します。AIが書き足した約束も、文書で渡せば、事業所が守ったかどうかを問われる約束になります。
受付記録は、「 」を一字も変えずに並べ替えだけを頼む
受付記録をAIで整えるなら、頼む仕事を「メモの文を様式の見出しに並べ替えること」に限ります。言い換え、要約、原因の推測は頼みません。
その前に、入力してよい情報かを確かめます。苦情のメモには、利用者の名前や家族の続柄、通っている事業所、日時が入ります。名前を記号に置き換えても、日時や送迎の便の組み合わせから、誰のことか分かる場合があるでしょう。個人情報保護委員会は、事業者が生成AIサービスに個人情報を含む指示を入力するときは、利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確かめるよう注意を促しています。本人の同意なく入力した個人データが応答の出力以外の目的で扱われると法令違反となる可能性があるとして、機械学習に使われないことなどを確かめるよう求めています。個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(令和5年6月2日、PDF)2ページ
どのAIサービスに、苦情のどの情報まで入れてよいかを決めるのは、法人です。決まっていないうちは、この記事の架空のメモで頼み方を試してください。認められたサービスで受付記録を頼むなら、次のように書く想定です。
障害福祉サービス事業所の苦情受付記録を、下の受付メモから作ります。
守ってほしいこと:
・「 」の中は申出人の言葉なので、一字も変えずにそのまま書く。「ご意見」「ご要望」などに言い換えない。
・メモにない原因、対応、今後の予定を足さない。
・メモに書かれていない見出しは、空欄にせず「未確認」と書く。
・利用者は「Kさん」、申出人は「Kさんの母」と書く(名前を置き換えた記号。保存の前に職員が直す)。
・次の見出しに分けて並べる: 受付日時・受付者/申出人/苦情の内容(申出人の言葉)/申出人の希望/受付時に事業所が伝えたこと・約束したこと(期限)/第三者委員への報告の要否/第三者委員の助言・立ち会いの要否/まだ確かめていないこと
・各見出しの最後に、使ったメモの番号を(1、2)のように書く。
受付メモ:
(受付メモの1〜10を、ここにそのまま貼る)
次のように返ってくれば、確かめる材料に使えます。これも説明のために作った想定の文です。
苦情受付記録
受付日時・受付者: 2026年11月4日(水)10:10、電話。苦情受付担当者(サービス管理責任者)(1)
申出人: Kさんの母(1)
苦情の内容(申出人の言葉): 「今朝の迎え、9時に来る予定が9時35分だった。遅れるという電話もなかった」「先月も一度、同じように遅れた。またか、と思った」「待っている間、Kが玄関から何度も外を見ていた。落ち着かない様子だった」(2、3、4)
申出人の希望: 「遅れるなら、せめて電話がほしい」「理由は、紙でもらえると夫にも見せられる」(5、6)
受付時に事業所が伝えたこと・約束したこと(期限): 遅れたことと、連絡しなかったことをおわびした。遅れた理由は運転した職員に確かめ、11月6日(金)までに電話で伝え、文書も渡すと伝えた。(7、8)
第三者委員への報告の要否: 要。苦情解決責任者と第三者委員に報告すると伝え、母は「それでいい」(9)
第三者委員の助言・立ち会いの要否: 未確認
まだ確かめていないこと: 当日遅れた理由(運転した職員は別の送迎で外出中)、先月遅れた日、Kさん本人の受け止め(10)
返ってきた記録を保存する前に、受付担当が見る点は四つです。
- 「 」の中: 記録の「 」が、メモの「 」と一字ずつ同じかを見ます。「ご意見」「ご要望」「〜とのこと」に変わっていたら、メモの言葉に戻します。
- 番号: 見出しごとの番号が、その文のもとになった行と合っているか。番号のない文や、メモにない原因・対応が入っていれば消します。
- 「未確認」の欄: AIに埋めさせず、人が申出人に聞いて埋めます。この例なら、次の電話で母に聞くのは、第三者委員の助言・立ち会いが要るかどうかです。Kさん本人の受け止めは、母を通さず、Kさんに直接聞きます。
- 申出人に確かめる: 指針は、受付のときに記録した内容を申出人に確かめるとしています。電話を聞きながら書いたメモは、聞き違いがありうるものです。受付の電話の終わりに読み上げて確かめ、整えた記録も、次の連絡のときに苦情の内容と希望を読み上げて、違っていれば直しておきます。
返答で約束することは、苦情解決責任者が決めてからAIに渡す
返答の文書は、事実を確かめ、約束することを決めてから作ります。AIに頼むのは、決めた文を手紙の形に整えるところだけです。
- 事実を確かめる: 運転した職員に当日のことを聞き、送迎の記録で先月の日付を確かめます。まだ分からないことは、「未確認」のまま残しておくのが基本です。
- 本人に確かめる: Kさんは成人の利用者です。待っていたときのことや送迎への希望を、Kさん本人にも聞きます。母への返答に、送迎の記録や当日の様子をどこまで書くかは、本人の意向と、利用を始めるときに得ている家族との情報共有の同意の範囲で確かめるのが前提です。
- 苦情解決責任者が決める: 確かめた事実、おわびすること、改善として約束すること(いつから、誰が、何をするか)、その報告をいつするかを、責任者が決めます。守れるかどうか分からない約束は入れません。
- 決めた文だけを渡す: AIには、決めた文と、申出人の言葉のうち返答で触れるものだけを渡します。
- 番号で照らす: 返ってきた下書きの文が、渡した文のどれから来たかを番号で確かめ、どの文にもない約束やおわびは消します。
Kさんの例では、11月5日に次のことが確かめられました。Kさんにも話を聞き、母への返答に送迎の記録と当日の様子を書いてよいことをKさんと確かめたうえで、管理者が約束を決めています。これを渡して頼む想定の例文です。
障害福祉サービス事業所から、苦情を申し出た家族へ渡す返答の文書を作ります。
下の文だけを使ってください。この文は、苦情解決責任者が確かめて決めたもので、返答に書く範囲は利用者本人と確かめてあります。
守ってほしいこと:
・事実の文の意味を変えない。原因を足したり、ぼかしたりしない。
・約束は「約束すること」にあるものだけにする。「二度と」「必ず」「徹底」のような、決めていない約束を足さない。
・「 」の中は申出人の言葉なので、変えずに使う。
・宛名は「Kさんのお母様」、差出人は「(事業所名)管理者(苦情解決責任者)」と書く(記号。渡す前に職員が直す)。
・最後に、使った文の番号を(使った文: 1、2)のように書く。
申出人の言葉:
1. 「遅れるなら、せめて電話がほしい」
確かめた事実:
2. 2026年11月4日の朝の送迎は、車の点検に時間がかかったため出発が20分遅れ、到着は予定の9時より35分遅い9時35分だった。
3. 遅れることを家族に電話で知らせる担当が、決まっていなかった。
4. 送迎の記録では、10月14日にも同じ便が25分遅れていた。
おわび:
5. 2回続けて到着が遅れ、連絡もしなかったこと。Kさんとお母様が、連絡のないまま35分待つことになったこと。
約束すること:
6. 11月9日(月)から、到着が予定より10分以上遅れそうなときは、運転する職員が車を止めて事務所に電話し、事務所の職員が家族に電話する。
7. 12月上旬に、この取組の様子をお母様と第三者委員に報告する。
次のように返ってくれば、確かめる材料に使えます。これも想定の文です。
Kさんのお母様(事業所名)管理者(苦情解決責任者)2026年11月4日の朝の送迎について、確かめた結果をお知らせします。
当日は、車の点検に時間がかかったため、出発が20分遅れ、到着は予定の9時より35分遅い9時35分になりました。遅れることをご家族にお電話でお知らせする担当が、決まっていませんでした。送迎の記録では、10月14日にも同じ便が25分遅れていました。
2回続けて到着が遅れ、ご連絡もしなかったこと、Kさんとお母様が連絡のないまま35分お待ちになったことを、おわびいたします。
「遅れるなら、せめて電話がほしい」とのお言葉について、11月9日から、到着が予定より10分以上遅れそうなときは、運転する職員が車を止めて事務所に電話し、事務所の職員からご家族にお電話します。
12月上旬に、この取組の様子をお母様と第三者委員にご報告します。
(使った文: 1、2、3、4、5、6、7)
番号で照らすと、宛名と書き出しの一文を除けば、どの文も渡した1〜7のどれかから来ています。「二度と」「必ず」はなく、約束は6と7の二つだけです。受付では、11月6日(金)までに電話で理由を伝え、文書も渡すと約束していました。この文書も同じ日のうちに渡せるよう、電話の前に用意しておきます。
約束を決めるのは、苦情解決責任者です。改善の中身を決めるには、送迎の順番や職員の配置を見直すこともあるでしょう。その検討をAIに任せて約束の文を作らせると、事業所が守れるかを誰も確かめていない約束が、文書に残ります。
公表の文は、除く項目を人が選んでから作る
結果の公表は、個人情報に関するものを除いて行います(指針)。個人情報には、名前がなくても、他の情報と容易に照合でき、それによって特定の個人を識別できるものも含まれます(個人情報保護法第2条第1項)。個人情報の保護に関する法律 第2条(e-Gov法令検索)
AIに「個人が分からないように、公表用の文にして」と頼むと、名前は消えても、次のような手がかりが残ることがあります。想定の文です。
11月、40代の利用者のお母様から、朝の迎えが35分遅れ、連絡もなかったとの苦情がありました。
利用者が数十人で送迎の便も限られる事業所なら、月・年代・続柄・遅れた時間・朝の便がそろえば、事業所の中では誰の話か見当がつきます。名前を消すだけでは足りません。
そこで、公表の文は、残す項目を人が先に選んでから作ります。
- 除く項目: 月日・時刻、年代や障害の種別、申出人の続柄、送迎の便や時間、申出人の言葉そのもの。
- 残す項目: 苦情の区分(送迎、支援の内容、職員の対応など)、件数、事業所が決めた改善の内容。
- 件数が少ないとき: 一年分をまとめて載せるなど、時期から誰の話か分からない単位にします。1件だけになるときは、改善の内容も個別の出来事が分からない書き方にして、事業所の中の人が読んでも誰の話か見当がつかないかを確かめます。
この例を、一年分の送迎の苦情とまとめて残す項目だけで書くと、「送迎に関する苦情 3件(到着の遅れ、遅れの連絡がなかったことなど)。遅れそうなときに事務所から家族へ電話する手順を決めました」のようになります(件数は説明のための架空のものです)。AIで文を整えたときは、除いた項目が戻っていないかを、人がもう一度見てください。
第三者委員への報告は、公表とは目的が違います。第三者委員は、苦情の内容を確かめ、申出人への通知や助言をする役なので、受付記録と経過の記録をもとに報告するのが指針の流れです。公表用に整えた文を報告に使い回すと、申出人の言葉や約束の期限が抜け落ちてしまいます。
次の苦情は、受付のメモで言葉と約束を書き分けてから記録にする
苦情の受付記録と返答文をAIで整えるなら、申出人の言葉、受付で約束したこと、まだ確かめていないことを、人が先に分けて渡します。AIには言い換えを禁じて、並べ替えと文の整えだけを頼みます。返答で何を約束するかは、事実を確かめてから苦情解決責任者が決めるものです。取りかかる順番は、次の三つです。
- 次の苦情の受付メモで、申出人の言葉は「 」、事業所が伝えたこと・約束したことは期限つきで別の行、確かめていないことは「未確認」と書く。電話の終わりに、苦情の内容と希望を読み上げて確かめる。
- 法人が認めたAIサービスと入力してよい範囲を先に確かめ、名前を記号に置き換え、ほかの情報もその範囲に絞ってから、「 」を変えずに様式の見出しへ並べ替えるよう頼む。「 」の一字ずつと番号を確かめ、「未確認」の欄は人が申出人に聞いて埋める。条件が整わないうちは、架空のメモで試す。
- 返答は、苦情解決責任者が事実と約束を決めてから、決めた文だけでAIに下書きさせ、使った文の番号で照らす。公表は、除く項目を人が選んでから作る。
振り返るときは、返答の文書に、決めていない約束が入っていなかったかを見ます。約束した期限に、申出人と第三者委員へ報告できたかも、振り返る点です。
苦情受付の様式や第三者委員への報告の時期、公表の書き方は、法人の苦情解決の規程によって違います。苦情の情報をどのAIサービスにどこまで入れてよいかも、受付担当が電話のたびに迷わないよう、先に法人で決めておくと進めやすくなります。
苦情の受付記録や返答の文書にAIをどう使うかを、事業所の苦情解決の流れに合わせて考えたいときは、株式会社サクポートの無料相談をご利用ください。今の受付の様式と報告の流れを伺いながら、メモの書き分け方、AIへの頼み方、確かめ方を一緒に検討できます。