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生成AIで病院の業務時間を月200時間削減する——問診・カルテ・DPCの実践ワークフロー

生成AIで病院の業務時間を月200時間削減する——問診・カルテ・DPCの実践ワークフロー

南部徳洲会病院では、IC記録の作成など月間約4,000件の業務で生成AIの音声要約機能を活用し、月約200時間の業務時間を創出しました(Ubie社プレスリリース 2025年11月)。

200時間。常勤医師1人分の月間労働時間に匹敵します。

九州大学病院では、DPCコーディング支援AIの活用で年間6,500万円以上の収益改善見込みが確認されています(Ubie社プレスリリース 2025年12月)。新たに患者を増やしたのではなく、本来請求できたはずの報酬を正しく取り戻しただけでこの数字です。

「医師の働き方改革」が制度として動き出す中、医療現場の事務作業を生成AIに任せる病院が急速に増えています。問診記録、カルテ記載、DPCコーディング、IC記録。2026年2月時点で「ユビー生成AI」の導入は大学病院10施設以上を含む全国100病院を突破しました(Ubie社プレスリリース 2026年2月)。

この記事では、生成AIを医療現場の業務効率化に活用する3つの領域と、導入の実践ステップを整理します。

医療現場を圧迫する「書く仕事」の正体

生成AIの話に入る前に、なぜ医師の労働時間がこれほど長いのかを確認します。

答えはシンプルで、「書く仕事」が多すぎるからです。

問診記録、診療録(カルテ)、IC(インフォームドコンセント)記録、退院サマリ、DPCコーディング、紹介状、診断書。患者と向き合う時間と同じかそれ以上の時間を、テキスト入力に費やしている医師は少なくありません。

電子カルテの普及率は上がっていますが、「入力する」作業そのものは減っていない。外来が終わった後、薄暗くなった診察室でキーボードを叩き続ける医師の姿は珍しくありません。ここに生成AIが入り込む余地があります。

3つの領域で生成AIを活用する

領域1: AI問診——患者が入力し、医師の言葉に翻訳する

問診票をデジタル化するだけでなく、AIが患者ごとに最適な質問を自動生成し、回答をもとに鑑別疾患を提示する。これが現在のAI問診です。

ユビーAI問診は、導入実績が1,800件以上に達しています(ユビーメディカルナビ公式サイト)。患者がスマホやタブレットから質問に答えると、AIが回答を医師の言葉に翻訳して出力します。たとえば患者が「お腹の右下が痛い」と入力した場合、電子カルテには「右下腹部痛」と転記される。

受付スタッフが紙の問診票を手入力する時間がなくなる。医師が「いつから?」「どんな時に?」と一から聞き直す時間も減る。

導入効果の目安:

  • 問診にかかる時間: 従来の対面ヒアリング → 待合室での事前入力に置き換え
  • 電子カルテ連携: 主要な電子カルテとのデータ連携に対応

領域2: カルテ記載・IC記録——音声をテキストに、テキストを要約に

南部徳洲会病院の事例が示すとおり、この領域の効果は大きい。

「ユビー生成AI」は、汎用LLM(大規模言語モデル)の高い言語処理能力と、1,800件以上の医療機関で培われた医療特化AIの強みを融合したサービスです。診療中の会話を音声で拾い、自動で要約し、カルテや記録として整形する。

従来、医師が診療後にPCに向かって30分かけて打ち込んでいたIC記録が、診療中の会話から自動生成される。月間4,000件の業務で月約200時間の創出(南部徳洲会病院実績)。営業日ベース(月22日)で割ると、1日あたり約9時間分の事務作業が浮いた計算です。

「生成AI大賞2024」では特別賞と優秀賞をW受賞しており、医療現場での実用性が外部評価でも認められています。

領域3: DPCコーディング——収益機会の取りこぼしを防ぐ

DPC(診断群分類包括評価)制度では、退院時のコーディングが収益に直結します。適切なDPCコードが選択されなければ、本来請求できたはずの報酬を取りこぼすことになります。

ユビーDPCサポーターは、医療特化AIを搭載した退院時コーディング支援機能です。患者の退院前に最適なDPCコードを提案し、コーディングの精度を上げることで収益改善を実現します。

冒頭で触れた九州大学病院の年間6,500万円以上の改善見込み(Ubie社プレスリリース 2025年12月)は、このDPCサポーターの成果です。事務長にとって最も関心が高い「収益に直結するAI活用」の実例といえます。

なお、DPCサポーター以外にも、MedTechGroupが電子カルテを「ボタン1つ」でAI化するサービスを2026年4月に発表しており(PR Times 2026年4月)、医療AIの選択肢は急速に広がっています。

導入の実践ステップ

ステップ1: 現状の「書く仕事」を可視化する

まず、医師・看護師・事務スタッフがテキスト入力に費やしている時間を1週間だけ計測してみてください。記録項目ごとの所要時間を洗い出すと、「どこに生成AIを入れれば最も効くか」が見えてきます。

ステップ2: セキュリティ要件を整理する

厚生労働省は「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を策定しています。生成AIを導入する場合、以下を確認してください:

  • 入力データの保管場所(国内サーバーか否か)
  • データの暗号化と転送経路
  • 入力データがAIの学習に使用されないこと
  • アクセス権限の管理

ユビー生成AIは大学病院も利用する堅牢なセキュリティ体制を備えており、ISMS認証などの第三者評価を取得しています。

ステップ3: 小さく始めて効果を測定する

全診療科にいきなり展開するのではなく、1つの診療科や1つの業務(たとえばIC記録の音声要約)から試験運用してください。2〜4週間の試験期間で「時間削減量」「入力精度」「医師・スタッフの満足度」を計測し、効果が確認できたら段階的に拡大します。

ステップ4: 補助金を活用する

ICT導入に対して、厚生労働省や都道府県の補助金制度が利用できるケースがあります。Ubie社は「補助金活用サポート付きの特別パッケージ」を提供しており、申請手続きの負担を軽減できます(Ubie社プレスリリース 2025年11月)。

令和8年度診療報酬改定(2026年6月施行)に向けた対策ウェビナーも開催されており、制度面の最新情報を把握した上で導入判断ができます。

2026年の注目動向: AIセーフティと医療DX

2026年4月、UbieはJaDHA(日本デジタルヘルス・アライアンス)のワーキングリーダー企業として、AIセーフティ・インスティテュート(AISI)と連携し、「ヘルスケア領域におけるAIセーフティ評価観点ガイド」を策定しました(Ubie社プレスリリース 2026年4月)。

医療AIが普及するほど、安全性と信頼性の評価基準が重要になります。このガイドは、医療機関がAIツールを選定する際の判断材料としても活用できます。

厚生労働省も「医療分野の情報化の推進」として、電子カルテ情報共有サービスの整備、医療情報の標準化、HPKI認証局の運用を進めています。生成AIの導入は、こうした国策としての医療DX推進と歩調を合わせて進む流れにあります。

よくある質問(FAQ)

Q1: 生成AIの出力した内容に誤りがあった場合、責任は誰が負いますか?

AIはあくまで「補助ツール」であり、最終的な判断は医師が行います。法的な責任はAIの出力ではなく、それを採用した医師の判断に帰属します。AIの出力をそのまま使うのではなく、必ず医師が確認・修正してから記録に残すフローを構築してください。

Q2: 患者データをAIに入力してもプライバシーは守られますか?

医療機関向けに提供されている生成AIサービス(ユビー生成AI等)は、入力データを学習に使用しない設計になっています。データは暗号化された経路で国内サーバーに保管される仕組みが一般的です。厚生労働省のガイドラインに準拠しているかどうかを、ベンダーに確認してください。

Q3: クリニック(無床)でも導入効果はありますか?

あります。特にAI問診は、受付スタッフの業務負担軽減と患者待ち時間の短縮に直結します。クリニック規模では、問診+カルテ記載支援の2領域から始めるのが現実的です。

Q4: 既存の電子カルテシステムとの連携は可能ですか?

主要な電子カルテシステムとのデータ連携に対応しているサービスが増えています。ユビーAI問診は複数の電子カルテとの連携実績があります。自院のシステムとの互換性は、無料相談の段階で確認できます。

Q5: 「生成AI大賞」とはどのような賞ですか?

日本国内における生成AI活用の優れた事例を表彰する制度です。ユビー生成AIは2024年度の特別賞と優秀賞をダブル受賞しており、医療分野での生成AI活用が実用段階に達していることを示す外部評価といえます。

Q6: DPCコーディング支援は、DPC対象病院でなくても使えますか?

DPCサポーターはDPC対象病院向けの機能ですが、ユビー生成AIのカルテ記載支援・音声要約機能は病床規模や職種を問わず利用できます。DPC非対象のクリニック・病院でも、カルテ領域での効率化は十分に見込めます。

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