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障害福祉事業所のAI導入は業務の棚卸しから。記録・請求・送迎を4つの軸で見直す手順

障害福祉事業所のAI導入は業務の棚卸しから。記録・請求・送迎を4つの軸で見直す手順

AI導入を考え始めた事業所に最初に要るのは、ノート1冊と1〜2週間です。業務の棚卸しと聞いて、全業務を並べた一覧表づくりを思い浮かべ、そこで手が止まっていないでしょうか。そこまで作り込まなくても、次の一手は決まります。

書き出すのは主要な業務だけで足ります。支援記録・連絡帳・請求と加算の確認・送迎・シフト。日々繰り返している仕事を並べたら、4つの軸で見直します。頻度と所要時間。手順化の度合い。人の確認と責任。利用者への影響と個人情報。

この4つで見ていくと、書き出した業務は3つに分かれます。すぐ試せる業務、準備してから試す業務、人が担い続ける業務。最初に手を付ける1つを、自分たちの言葉で選べる状態になります。

手順は3つです。書き出す。4つの軸で見る。絞り込む。

業務の棚卸しで何を決めるのか

棚卸しで決めるのは、最初に手を付ける業務を1つ選ぶことです。

AI導入前の業務棚卸しとは、日々の業務を書き出し、4つの軸で見直して、AIを試す業務と人が担い続ける業務を分ける準備作業です。軸は、頻度と所要時間・手順化の度合い・人の確認と責任・利用者への影響と個人情報の4つ。1〜2週間ほどの短い期間で現場職員と一緒に進め、完璧な一覧づくりを目指さないことが続けるコツになります。

一覧が埋まった時点では、まだ何も決まっていません。決まるのは、その先で業務を3つに分けたときです。すぐ試せる業務。準備してから試す業務。人が担い続ける業務。いま、自事業所の「すぐ試せる業務」を1つ言葉にできるでしょうか。

選んだ理由を説明できるかどうかも、ここで変わります。ツールの資料から集め始めると、選んだ根拠も製品側の言葉に寄りやすくなります。業務の側から入れば、「毎日発生していて、書く内容の型も決まっているから」と言える。

棚卸しを始める前に決めておく3つのこと

先に決めるのは、期間・範囲・進め方の3つです。ここを決めずに始めると、書き出しの途中で日々の支援に押し流されます。

  1. 期間を区切る。 1〜2週間で終わらせる前提にします。終わりの日をカレンダーに入れてしまうのが確実。長く取ったぶん精度が上がる作業ではありません。
  2. 範囲を絞る。 1つの事業所、または1つのサービス種別まで。複数の事業所を持つ法人でも、まずは1か所から始め、やり方が固まってから広げます。
  3. 進め方を決める。 管理者が枠を作り、現場職員が中身を埋める形をおすすめします。所要時間や実際の手順は、毎日その作業をしている人でないと書けません。

もうひとつ。手数が軽くなったとして、空いた時間はどこへ行くのでしょうか。

行き先を決めないままだと、浮いた時間は別の業務に静かに埋まっていきます。利用者本人と話す時間を増やす。記録を書く時間を勤務時間内に収める。どれを選ぶかは事業所の判断ですが、書いておくこと自体に意味があります。

公的な資料にも目を通しておける場所があります。厚生労働省の「障害福祉分野における生産性向上・手続負担軽減」というページです。ここには「障害福祉現場における生産性向上の基本的な考え方―当事者視点に立ったケアの充実のために」(令和8年3月取りまとめ)という文書が掲載されていました(2026年8月時点で確認)。副題は、当事者視点に立ったケアの充実。本記事が確認したのは、この表題が同ページに並んでいるところまでです。中身は原典でご覧ください。

同じページには「障害福祉現場における介護テクノロジー等導入・活用マニュアル」(令和7年度実施)も置かれています。同ページの紹介文には、このマニュアルの位置づけが書かれていました。業務の「見える化」や課題の整理、改善の検討、テクノロジーの活用といった実践的な取組の進め方を示しています、という説明です(2026年8月時点で確認)。確認したのはページ本文の紹介文まで。マニュアル本文は開いていません。

期間・範囲・進め方の3つは、事業所の中だけで決められます。この先で手が止まりやすいのは、書き出した業務のどれから試すかという段で、無料相談では業務の流れをうかがいながら時間が集まっている箇所の見当をつけるところまで一緒に見ます。持ち込むのは、決めた期間と対象範囲のメモだけで構いません。

1〜2週間の棚卸しをどう組み立てるか相談する

手順1 業務を書き出す

最初に書くのは、昨日1日にやったことです。

様式は要りません。ノートでも、手元のExcelでも構わない。項目は、業務名・頻度・所要時間・確認する人・利用者への影響の5つがあれば足ります。

書き出しの単位は「1日の流れ」と「週次・月次」

2枚に分けて書くと、抜けが減ります。

1枚目は、1日の流れ。朝の申し送りから閉所までを時間順にたどります。送迎・健康観察・日中活動の準備・昼食の対応・支援記録・連絡帳・片付け・翌日の準備。時間軸でたどると、思い出しやすくなります。

2枚目は、週次・月次の業務です。ここに入るのは、毎日は発生しないけれど締め切りのある仕事。

  • 請求業務と、加算の確認(算定の要件を満たしているかを確かめる作業)
  • 個別支援計画(利用者一人ひとりの支援目標と支援内容を定める計画)の作成と見直し
  • モニタリング(計画の実施状況を定期的に確認する作業)
  • シフト作成、送迎表の組み直し
  • 会議資料の準備、法人本部への報告
  • ヒヤリハット(事故には至らなかったが危険を感じた出来事)の集約

粒度は、その作業を担っている職員が「自分の仕事だ」と分かる大きさにします。「記録業務」とひとまとめにすると、支援記録・連絡帳・ヒヤリハットの共有が1行に潰れます。潰れた行には、軸を当てられません。

全部で20行から30行ほどで十分です。

書き出しでつまずきやすいところ

毎日やっている作業ほど、言葉にしにくくなります。

手が止まったときは、3つの角度から思い出してみてください。

  • 今週、誰かに「これどうなってる?」と聞かれた仕事
  • 締め切り前に慌てた仕事
  • 「あの人がいないと分からない」と言われた仕事

抜けやすいのは、「ついでにやっている作業」です。電話を受けて記録に転記する。探し物をする。前の職員が書いた記録を読み直す。単体では数分でも、1日に何度も挟まれば時間は積み上がります。

手順書がある業務でも、書くのは実際に踏んでいる順序のほうです。手順書と現場の動きがずれている箇所は、それだけで見直しの候補になります。

1日で書き切ろうとせず、1週間かけて気づいたときに1行足す。現場の実感に近い一覧になります。

手順2 4つの軸で業務を見直す

書き出した行の右側に、4つの印を付けていきます。◎○△の3段階か、「多い・普通・少ない」程度の書き込みで足ります。

4つのうち、前の2つはAIを試しやすいかどうかを見る軸。後ろの2つは、試す前に確認しておくことを見る軸です。

軸1 頻度と所要時間

その業務は、月に何回あって、1回あたりどのくらいかかっていますか。

ストップウォッチを持ち出す必要はありません。「毎日15分くらい」「月末に半日」。この程度で十分です。見るのは、回数と時間を掛けた合計のほう。1回30分かかる作業でも、月に1回なら後回しでよい場合があります。

書き込んでいくと、意外な行が上位に来ることがあります。1回5分の連絡帳が、利用者20名分で毎日発生していれば、合計時間は支援記録を上回ることもある。書き出さないと見えません。

軸2 手順化の度合い

その作業を、今月入った職員に文章だけで引き継げますか。

引き継げる作業は、手順が決まっている作業です。何を見て、どの順で、どんな形にまとめるか。この3つが決まっていれば、下書きを機械に任せる余地があります。

引き継ぎにくい作業には、その場の判断が挟まっています。利用者の様子を見て対応を変える。家族からの相談に応じて内容を組み替える。この種の作業は、手順が固まってから改めて見ます。判断の分かれ道が3つ以上ある作業には、いったん保留の印を付けておいてください。

型が決まっている文章と、毎回変わる文章。同じ「記録」でも、別物として扱います。

軸3 人の確認と責任

その業務の内容を、最後に確認して確定しているのは誰ですか。

役職名で答えられる業務と、答えに詰まる業務があるはずです。詰まった業務には、確認の担当が置かれていません。ここにAIの下書きを入れると、文面だけが積み上がり、誰の手も通らないまま流れていきやすくなります。

確認の欄には、2段階で書き込むと後が楽になります。一次で誰が目を通すか。最終的に誰が確定するか。個別支援計画やモニタリングの記録は担当がはっきりしていても、日々の支援記録は事業所ごとに運用が分かれます。

属人化の確認も、この軸で行います。その業務を担える職員が1人しかいない場合は、別の印を付けてください。小規模だから棚卸しが要らない、とはなりません。

軸4 利用者への影響と個人情報

その業務の進め方が変わったとき、利用者本人の日常には何か変わりますか。

変わる業務と、変わらない業務があります。職員間の申し送りの形式が変わっても、本人の日常は動きません。一方で、記録に載る文面、送迎記録の取り方、居室に置かれる機器。ここが変わる業務では、本人への説明と意思確認の準備がセットになります。

説明の相手は本人が基本です。年齢や契約関係、法定代理権の有無などに応じて、保護者や成年後見人等にも説明する場面があります。家族等への説明で、本人への説明と意思確認を代わりにすることはしません。

個人情報の側も、この軸で書き出します。

  • その業務でAIに入力することになる情報の種類
  • 情報の保存先と、管理を担う職員
  • 職員ごとのアクセス権限
  • 入力した内容が提供元の学習に回る設定になっていないか
  • 契約を終えたあとのデータの扱い

障害や健康に関する情報をどこまで入れてよいかは、事業所の中だけで決着する話ではありません。事業所の規程、サービスの利用規約、個人情報保護法。この3つに照らしてから線を引くことになります。確認が済んでいない業務には、その旨を書き添えておいてください。

手順3 試す業務を絞り込む

4つの印がそろったら、書き出した行を3つに分けます。

すぐ試せる業務・準備してから試す業務・人が担い続ける業務

分け方の基準は、4つの軸の組み合わせです。

すぐ試せる業務。 次の4つがそろっている行です。

  • 頻度が高く、合計の所要時間も大きい
  • 手順が決まっていて、文章で引き継げる
  • 確認して確定する担当が決まっている
  • 利用者本人への影響が小さく、個人情報の扱いの確認も済んでいる

準備してから試す業務。 どれか1つが欠けている行です。欠けているのが「確認の担当」なら、担当を決めるところから。「個人情報の扱い」なら、契約条件と保存先の確認から。手を付ける順番が、欠けている箇所そのものから決まります。

人が担い続ける業務。 本人の意向を聞き取る場面、支援の方向を決める判断、本人への説明そのもの。この3つは、下書きに置き換える対象から外して考えます。先に外しておくと、確認の責任がどこにあるかが早い段階で見えます。

分け終えたら、「すぐ試せる」の中から1つだけ選びます。2つ以上を同時に始めると、うまく進まなかったときにどちらの要因なのか分からなくなります。「すぐ試せる」に、何行入りましたか。

規模の調整で対応できることと、調整では回避できないこと

試す規模は、あとから小さくできます。小さくしても軽くならないものも、あります。

規模の調整で対応できるのは、次のような項目です。

  • 対象にする利用者の人数
  • 試す期間の長さ
  • 操作する職員の人数
  • 対象業務の範囲(記録全体を対象にせず、1つの様式だけに絞る)
  • 月額の費用

次の2つは、規模の調整とは別の紙に書いておくことをおすすめします。法令が一律に定める要件ではなく、本記事が提案する運用上の整理です。手を止める条件として扱ってください。

  • 実在の利用者の情報をAIツールに入力する前の確認が済んでいないとき。契約条件、入力データの保存や学習利用の扱い、アクセス権限の3つが確認できるまでは、実在の情報を入れずに完全に架空のデータで試します
  • 利用者本人にかかわる変更について、本人への説明が済んでいないとき

この2つは、対象の人数を減らしても、期間を短くしても軽くなりません。1人分で試す場合も、確認する内容は同じです。

架空のデータで試すときも、氏名を置き換えるだけでは足りません。利用している曜日、通い始めた時期、世帯の状況。こうした組み合わせから個人にたどり着ける場合があるため、周辺の条件まで実在の並びから離してください。

架空の例で見る棚卸しの流れ 生活介護事業所の場合

ここから出てくる事業所は、手順の流れを追うために組み立てたものです。実在しません。人数や所要時間は、説明のために置いた仮の値です。効果を示すデータとしては読まないでください。特定の法人や個人に結び付く記述も避けています。

Before

利用者20名の生活介護事業所。管理者が「記録にAIを使えないか」と考え始めて、3か月が経ちました。音声入力、下書き作成、記録の検索。どの機能も良さそうに見えて、決め手が出ません。

棚卸しという言葉は知っていました。ただ、20名分の全業務を一覧にする作業を想像すると、着手する日が決まりませんでした。

After

期間を2週間、範囲をこの1事業所に絞りました。管理者が枠を作り、朝の申し送りの後に5分ずつ、職員が気づいた業務を足していく形にしました。

書き出せたのは23行。1日の流れが15行、週次・月次が8行です。

4つの軸を当てて、印を付けました。合計時間が大きかったのは、日中活動の支援記録と連絡帳。手順が決まっていたのは、支援記録の様式のうち活動内容を書く欄。確認の担当が決まっていなかったのは、ヒヤリハットの集約でした。個人情報の確認が済んでいない行には、その旨を書き添えています。

3つに分けた結果は、こうなりました。

  • すぐ試せる: 日中活動の支援記録の下書き
  • 準備してから試す: 連絡帳(本人と家族が読むため、文面の扱いを先に整理する)、請求前の記録の突合(手順が固まっていない)
  • 人が担い続ける: 個別支援計画の内容を決める判断、本人からの聞き取り、家族への説明

最初に選んだのは、日中活動の支援記録の下書きです。理由も言えるようになりました。毎日20名分あって、書く内容の型が決まっていて、確認して確定する担当も置かれている。

選ばれなかった行も、無駄になっていません。連絡帳は、文面の扱いを整理すれば次の候補。請求前の突合は、手順を固める作業が先に決まりました。棚卸しの紙には、何が済んだら次に見るかまで書かれています。

ここまでの3手順をなぞれば、最初に試す業務を1つ選ぶところまでは自分たちで進められます。判断が割れやすいのは、3分類の境目に残る行の扱いでしょう。頻度も高く手順も決まっているのに、利用者本人への影響が残っている業務。この行をどちらに置くかで、着手の時期が変わります。

現状診断では、書き出した紙を1行ずつうかがいながら、4つの軸の当てはめ方と、境目に残った行の並べ替えを一緒に進めます。扱う範囲は、業務フローの整理、時間が集まっている箇所の特定、小さく試す範囲の設計まで。話の材料になるのは3つです。提供しているサービス種別。時間が重いと感じている業務の名前。その作業を担っている職員の人数と役割。書きかけのメモのままで結構です。氏名など利用者個人が分かる書類は、お送りいただかなくて大丈夫です。

4つの軸の当てはめ方を一緒に見ていく

棚卸しでつまずきやすい3つの場面

止まるときは、だいたい決まった場所で止まります。

1 一覧を作り込みすぎて途中で終わる

行を増やすほど精度が上がる気がして、書き出しが2週目、3週目と延びていく。終わりの日を先に決めて、その日に書けているところまでで次の手順へ進んでください。

2 管理者だけで書いて、所要時間がずれる

管理者が想像で書いた「15分」が、現場では30分かかっている。この差は絞り込みの結果を変えます。書き出したら、その業務を担っている職員に1行ずつ確かめてください。「これ、実際どのくらいかかってますか」の一言で足ります。

3 書き出しただけで、次の話題に移る

一覧ができた達成感で、絞り込みの前に日常へ戻ってしまう。一番もったいない止まり方です。書き出しから3分類までは、会議1回分の時間で一気に通してください。20行程度なら、その中で最後まで届きます。

よくある質問(FAQ)

業務の棚卸しにはどのくらいの期間をかければよいですか?

1〜2週間を目安に短く区切る進め方が現実的です。完璧な一覧を目指すと日々の支援に追われて止まりやすいため、主要業務だけをまず書き出し、必要になったら追記していきます。

小規模な事業所でも棚卸しは必要ですか?

規模にかかわらず役立ちます。業務の数が少ないぶん短時間で見通しがつき、少人数だからこそ「この業務はこの人しか分からない」という属人化の確認が重要になります。

棚卸しは誰が進めるのがよいですか?

管理者が枠組みを作り、現場職員と一緒に埋めていく進め方をおすすめします。管理者だけで作ると実際の所要時間や手順とずれやすく、導入段階での協力も得にくくなります。書き出しそのものを職員に任せる必要はありません。確かめる場を1回作れば足ります。

業務を書き出す決まったフォーマットはありますか?

専用の様式は必要ありません。手元のExcelや紙のメモに、業務名・頻度・所要時間・確認する人・利用者への影響の5項目があれば十分です。この5項目が、そのまま4つの軸を当てる材料になります。

棚卸しの結果、AIを使わない判断になってもかまいませんか?

かまいません。棚卸しのゴールは「どこから変えるか」を自分たちで決められる状態になることで、今は変えない・人が担い続けるという結論も判断の一つです。

書き出しから絞り込みまで迷ったら 外部と一緒に整理する選択肢

止まっている場所によって、次の手は変わります。

書き出しの段で止まっている場合。 行が10行も出てこない。あるいは逆に50行を超えて収拾がつかない。どちらも粒度の問題であることが多いので、まず1日の流れだけを時間順に書き直してみてください。

4つの軸を当てる段で止まっている場合。 印を付けようとすると、どの軸も「場合による」になってしまう。業務の粒度が粗いか、複数の作業が1行に入っているかのどちらかであることが多いです。行を割ってみると、印が付き始めます。

絞り込みの段で止まっている場合。 ここが、外の目を入れる価値のいちばん出る場所です。印はそろっているのに、どの行を先に置くかで意見が割れる。境目に残った業務の扱いは、記録の様式、利用者数、職員体制によって答えが変わる種類の判断だからです。

ここまでで整理できたのは、書き出す単位、4つの軸、3分類の3つです。残るのは、それを自事業所の業務に当てはめる段の迷いでしょう。現状診断では、業務・データ・体制をうかがいながら、時間が集まっている箇所の洗い出しと、最初に試す業務の切り出しを一緒に進めます。扱う範囲は、業務フローの整理からボトルネックの特定、小さく試す範囲の設計、その後の運用の定着までです。書き留めておいていただけると進みが早いのは、印が付いた行と、その行で迷っている理由の2つです。提供しているサービス種別と、その作業を担う職員が何人いるかもあわせて言えるなら、初回から業務の話に入れます。利用者個人が特定できる書類は、お持ちいただかなくて大丈夫です。

絞り込みで残った迷いを現状診断で詰める

相談の場で決まるのは、次に手を動かす順番までです。どの業務を変えて、どこを人が持ち続けるか。ここは、日々の支援を見ている職員の判断が要ります。

まとめ 最初の一歩はノート1冊の書き出しから

棚卸しを重い作業にしているのは、一覧を完成させようとする構えのほうでした。

振り返ります。始める前に、期間・範囲・進め方を決める。手順1で、1日の流れと週次・月次を20行から30行ほど書き出す。手順2で、頻度と所要時間・手順化の度合い・人の確認と責任・利用者への影響と個人情報の4つの軸を当てる。手順3で、すぐ試せる・準備してから試す・人が担い続けるの3つに分け、最初の1つを選ぶ。

途中で決めておきたいことも、2つ。空いた時間の行き先と、規模の調整では軽くならない確認事項を別の紙に書いておくことです。

今日できるのは2つです。終わりの日をカレンダーに入れること。昨日1日にやったことを、思い出せる順に書き出すこと。

書き出した紙は、AIを入れる判断に使わなかったとしても残ります。誰が何にどれだけ時間を使い、担い手が1人しかいない業務はどれか。ここが見えている状態は、様式を見直すときにも人を採用するときにも使えます。

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